この間済州新昌里近くの海底発掘着手を発表した国立海洋文化財研究所と国立済州博物館が調査の成果を発表したので、長さ3.1mに達する古代中国の船舶の大型碇石1点に加え、北宋時代の中国のコイン6点と南宋時代の磁器1千点を確保したというものである。
これは言うまでもなく、この海域に南宋時代の中国貿易船が難破しているという証拠だ。
今回持ち上げ碇石が中国製であり、なお、その周辺で発見された硬貨が景德元寶、熙寧元寶、宣和通寶など北宋時代(960~1127)のコインであるという点で、この難破船の国籍が南宋時代がはないかという期待感を醸し出す。
元代沈没船の新安船より約100年ほど早い時期に属すると思われる。
今回発掘された碇石は二つに分割さ発見され、全体的に長い菱形で中央部が肉厚で両端に行くほど細くなる形状である。すべての面を平らに整えたが、自然石の一部だけを整えて使用した韓国の伝統的な碇石とは異なる。碇石中央部には、22cmの浅い溝が加工されており、固定釘をインストールするための幅7cmほどのホームも確認される。
このような形態の碇石は、中国宋・元代に流行したもので、中国の宋の使臣の徐兢が書いた「宣和奉使高麗圖經」に形態や使用方法が詳細に記録(「...の下には、碇石をつけて結び石両そばの木のフックつを置いた。...アンカーを下げ、水の底に落とし、いかり綱を引いて固定させると、船は行かない。」)されている。
これ見て碇石は木でできたフックと結合されて船を停泊させる使用されたことが分かる。中国では、このような形態のアンカーを木爪石碇と呼ぶ。
中国の碇石が韓国で発見された事例では、泰安馬島海域で3点、珍島鳴梁大捷路海域で1点がある。この碇石は長さ175cm前後、厚さ11〜13cm、重さ100〜130kg程度や、今回の新昌里の海域で発見された碇石は、全長310cm、中心部の幅36cm、中心部の厚さ29cm、重さ586kgの大きさと重さが従来の碇石に比べて非常に大きく、重いという点が特徴である。
これまでに発見された宋代碇石の中国の広東省陽江市沖で発見された南海1号碇石が最も大きいことが知られているが、この碇石は長さ310cm、重さ420kgの新昌里の海域で発見されたものと長さと形は似てい一つ、重さは新昌里のものが約1.4倍重い。これにより、新昌里海域で難破した船の規模を間接的推定して見ることができる。
*南海1号:2007年引き揚げた宋代貿易船に残存長さ22.1m、残存幅9.35mであり、船体内部で18万点の遺物が確認された
今回の発掘調査では、碇石と一緒に、中国銅錢も確認された。発見された銅錢は景德元寶(1004〜1007年の鋳造)、熙寧元寶(1068〜1077年)、宣和通寶(1119〜1125年)の両方北宋時代に作られたものである。この銅錢の中景德元寶は高麗時代、済州島の代表的な寺院である水精寺からの中国の磁器と一緒に発見された事例があり、熙寧元寶は済州高內里遺跡で発見された事例がある。このように、済州島内の陸上と海の中で同じ種類の遺物が確認されるということは、過去の海路を通じた東アジアの国際交流で済州島の位置を見計らって見ることができる事例とすることができる。
済州新昌里水中遺跡は1983年に金製の装身具が発見され、最初の存在が知られた。昨年初めて行われた正式発掘調査では、中国南宋の浙江省龍泉窯で生産された多量の陶器やトレーダーが直接使用したと見られる印章2点を確認したのに続いて、今年2年目の発掘調査で、大規模の中国碇石と中国宋代の銅錢までに発見されて新昌里海域水中遺跡の性格を究明することが重要資料を追加確保したのに大きな意味がある。
文化財庁国立海洋文化財研究所は、今後も新昌里海域を含む済州島の海岸の継続的な調査を計画しており、これにより、過去の海洋交流への理解を深め、より多様な研究が行われるように努力する。
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